アメリカの話

11歳から14歳まで、計4年弱ほどアメリカで過ごしました。親の仕事の都合です。向こうでは現地の小中学校に通っていました。当然、授業も英語です。最初は授業についていけず、落ち込んだり腐ったりもしました。けれど、最終的にはそこそこなんとかなりました。海外での生活って聞くと、やはり「人種差別〜」みたいなことを連想するかと。僕の母親も、当時を振り返って「アジア人の女性だから、バカにされることがあった」なんて言ってました。ただ、僕個人の印象としては「アジア人」「日本人」だから差別された、って記憶はあまりありません。むしろ、自分の体形でからかわれることのほうが多かったような気がします。と、書いては見たけれど、実際にからかわれた光景をいまいち思い出せません。あるいは、思い出したくないから忘れているだけなのか。閑話休題。人種が気にならなかったのは、僕が通っていた学校は比較的アジア人が多くて、結構そいつらと仲良くやれていたからだと思います。ちなみにアメリカの学校ってのも色々な派閥にグループ分けされていて、僕が仲良かった連中は"nerd"です。日本語に直すと「オタクグループ」。やたらと「お前は本当にHENTAIだな!」と連呼するベトナム人とか、ことあるごとに江川達也の「ゴールデンボーイ」を勧めてくるインドネシア人とか、面白い奴等でした。あれです、「アニメと漫画で国際交流」を個人レベルで実践した感じです。

その一方で、向こうにいる日本人連中とも仲良くやっていました。そちらもそちらで、中々濃厚なメンツが多く。現在自分がオタとして在るのは、当時の付き合いのおかげです。一緒に泊まり込みで愛國戦隊大日本見たり、エクセルサーガ見たり。人生初のド失恋を経験してみたり。今はもう、ほぼコンタクトはありませんが。それでも、一緒に近所のショッピングモールへ行きながら見た空の青さとか、スケートリンク行って転びまくって飲んだ後のゲータレードの味とか。今にして当時を思い出すと、「一番楽しかった過去」でした。というのも、その他の「過去」っつーのはロクなもんじゃないか、あるいは「過去」がそのまま「現在」まで継続しているか。いずれにせよ、自分の人生が「TV放映版」だとしたら、アメリカ時代は「劇場版」といでも言うんでしょうか。それ自体で完結している、みたいな。
そして、中2の終わりに日本に帰り、厨2病満載の中3時代を経て、高校に入学することになります。